注文住宅でスキップフロアに向いた暮らし

注文住宅でご自身方の家を建てる際、デザインと居住性にはある程度の流行もあります。
ここ最近の注文住宅で人気のデザインの1つに、スキップフロアという設計があります。

私も2年前に注文住宅を建てる際、住宅展示場で数多くのスキップフロア住宅を見学し、最終的に採用を決めました。
実際に住んでみた経験から、その人気の理由と現実をお伝えします。

スキップフロアってどんな設計?

スキップフロアとは、1つの建物の中にいくつもの段差を作り、役割によって仕切りがありながら、開放的な1つの空間にもすることができる注文住宅の設計手法です。

我が家を例にすると、1階のリビングから3段上がった子どもの学習スペース、さらに段差を設けた書斎コーナー、反対側にはオープンキッチンとダイニングという構成になっています。部屋でありながら壁で完全に区切られることのない、立体的な1つの空間と言えるでしょう。

なぜこんなに人気なのか?

設計段階からのこだわりを実現できる

スキップフロアは、新築で注文住宅の設計段階からこだわりのデザインを求める方に特に人気です。
規格住宅では絶対に実現できない、オリジナリティ溢れる住まいを作ることができるからです。

実際、我が家の設計打ち合わせでも、建築士の方から「スキップフロアなら、お客様のライフスタイルに合わせた唯一無二の空間を作れます」と提案されました。

現代の住宅事情にマッチしている

都市部の限られた土地でも、縦の空間を有効活用できるスキップフロアは、現代の住宅事情に非常にマッチしています。
狭小住宅でも広々とした住み心地を実現できる点が、多くの施主に選ばれる理由の一つです。

実際に住んでみて感じるメリット

開放感と遊び心が日常を豊かにする

注文住宅でスキップフロアを取り入れる最大のメリットは、縦に広い空間が持つ開放感です。
我が家では天井高が3.5mあり、実際の床面積以上の広がりを感じることができます。

また、互い違いになった複雑な設計がもたらす遊び心と個性も魅力的です。
「今日はどこで過ごそうか」と考える楽しみがあり、5歳の娘にとっては家全体が遊び場になっています。

家族のコミュニケーションが自然に生まれる

縦に広い空間では家族の気配を常に感じ取ることができ、自然なコミュニケーションが生まれます。
キッチンで料理をしながら、スキップフロアで宿題をする子どもの様子を見守れるのは、子育て世代には大きなメリットです。

採光と通風の良さは期待以上

スキップフロアは上の窓からリビングへと遮るものがほとんどなく、陽当たりと風通しがいいことも実感しています。
特に冬場の日差しは家全体を暖めてくれ、光熱費の節約にもつながっています。

住んでみて分かったデメリット

プライバシーの確保が課題

スキップフロアの区切られることがない広い空間は、プライベートな個人の空間が限られてしまうのが最大のデメリットです。

我が家でも、建築当時は3歳だった息子が小学生になった今、「一人になりたい」と言うことが増えました。
目が離せない就学前のお子さんにも、数年が経つとプライバシーを求める時期が訪れることを、設計段階でもっと考慮すべきだったと反省しています。

使い方の変化への対応が必要

小さな頃は遊び場だった空間が、数年後には物置になってしまう可能性もあります。
我が家でも、当初は読書コーナーとして設計した一角が、今では季節用品の収納場所になってしまいました。

スキップフロアの開放的な構造上、物が隠せない雑多な空間になりやすく、常に整理整頓を心がける必要があります。

失敗しないためのポイント

家族のライフスタイルの変化を想定する

スキップフロアのような個性的な注文住宅を検討される方は、家族のライフスタイルの変化と性格も想定した家づくりを考える必要があります。

特に子どもの成長段階や、夫婦の働き方の変化など、10年後、20年後の暮らしまで見据えた設計が重要です。

まとめ

スキップフロアは確かに魅力的な設計手法ですが、メリットとデメリットが表裏一体の関係にあります。
開放感や個性といった魅力の一方で、プライバシーの確保や将来の使い方変化への対応など、慎重に検討すべき点も多くあります。

我が家では総合的には満足していますが、もし今から建て直すなら、もう少し個室空間を確保する設計にしたいと思います。

スキップフロアを検討中の方は、ぜひ実際の生活をイメージしながら、経験豊富な建築士や住宅メーカーの担当者と十分に相談することをおすすめします。
理想の住まいづくりの参考になれば幸いです。

投稿者 k